勃起薬「バイアグラ」の歴史とは!開発当初は失敗薬だって知ってた?

勃起薬「バイアグラ」の歴史とは!開発当初は失敗薬だって知ってた?

夜の性活をサポートしてくれるED治療薬の「バイアグラ」。今ではED治療薬と言えばバイアグラと言われるほどの人気と知名度を誇っています。

そんなバイアグラですが、開発当初は失敗薬のように扱われ、廃棄寸前にまで追い込まれていたことがあります。それ以前にEDの治療を目的として開発されたものですらなかったようです!

どのような経緯をたどってバイアグラが世界中で愛されるED治療薬になったのか、今回はその歴史の流れについて調べてみました。

すぐにでも使えるバイアグラに関するちょっとしたうんちくを語ります。

バイアグラの歴史

バイアグラには「シルデナフィル」という成分が含まれ、この成分が勃起をサポートしています。

シルデナフィルはアメリカにあるファイザー社で狭心症の治療を目指して開発されました。ならばなぜシルデナフィル(バイアグラ)は、現在狭心症ではなくEDの治療薬として販売されているのでしょうか。

そもそも狭心症ってどんな病気なのでしょう?有名な病気らしいのですが、私はあまり詳しく知らなかったため、まずは病気について調べてみました。

狭心症(きょうしんしょう)とは

狭心症とは、虚血性心疾患の1つである。心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈の異常による一過性の心筋の虚血のための胸痛・胸部圧迫感などの主症状である。(wikipedia抜粋)

wikiでは上記のように解説されていましたが、これを読んだだけではどんな病気かピンときませんでした。よくわからなかったので狭心症について調べてみましたが、わかりやすくまとめると以下のことを指すようです。

狭心症とは心臓に供給される酸素が不足し、その結果起こる胸の痛みや圧迫感のことを指すようです。

狭心症は場合によっては心筋梗塞を起こすこともある危険な病気で、ガンの次に死亡率が高い「心疾患」の1つなので注意が必要です。

まさか狭心症がこれほど危険なものだったとは…。

これなら治療薬を開発しようと研究が進められるのも納得ですね。

狭心症の治療薬として開発

狭心症の治療薬として開発

イギリスにあるファイザー社の研究機関で、1990年頃から狭心症の治療を目的とした薬の研究がはじめられました。

シルデナフィルを用いた狭心症の臨床試験が行われましたが、狭心症に対して効果が薄くファイザー社では失敗と判断され、薬の回収が行われて廃棄される予定でした。しかし、なぜか被験者は薬を返さなかったようです。

薬を返さない理由を確認するとシルデナフィルには勃起を促す効果があるとわかり、これがきっかけで狭心症からED治療薬に分野をかえて開発が継続されることになりました。

まさに偶然の産物で「シルデナフィル」はできたようです。この偶然がなければ今でもバイアグラがないことを考えるとファイザー社には頭が上がりません。

※臨床試験…今回は狭心症の患者を対象に行った薬の試験・実験

全世界で大ブームに

EDの治療薬として研究されて販売

1996年にシルデナフィルの特許申請がアメリカで承認され、1998年3月27日にアメリカで初めてバイアグラが販売されました。

バイアグラはED以外の人にも効果があり、夜の性活を今まで以上に楽しむことができるようになったことから、男性は「夢の薬」と呼んで先を争うように購入しました。

そのため開発されてすぐに大ブームが起こり、アメリカで販売されてから半年程度という短期間でEU(ヨーロッパ連合)でも承認されるなど爆発的な勢いで全世界に広がっていきました。

その流れにのって日本でもバイアグラが普及していきます。

日本で承認

日本での承認

海外同様、日本でもバイアグラは夜の性活を助ける夢の薬であるという噂が広がり、厚生省で承認される前からバイアグラを手に入れようと個人輸入する人が後を絶ちませんでした。

しかしバイアグラを入手しても正しい知識を持っている人が少なく、併用禁止(ニトログリセリン)の薬と同時に使用してしまい、セックスの前後に突然死してしまう事件が何件も起こりました。

この突然死がきっかけで、正しい知識を持たないまま個人輸入をする人がいて危険であると厚生省に判断され、1999年1月25日に日本でもバイアグラの製造が認められ、3月21日に販売が開始されました。

外国で販売されてから厚生省で薬が承認されるまで一般的に3年程度かかりますが、バイアグラはアメリカで販売されてから10ヶ月という異例のスピードで承認されています。

短期間で製造が認められることは大変少なく、10ヶ月という期間は(がんや心臓病などの)緊急性が高い薬の場合に限られると言われています。

このことからバイアグラの人気がものすごく、承認まで3年も時間をかけてはいられないと厚生省が判断したことが想像できます。

流石というか、男のエロへの追及は厚生省を動かしたということでしょう。バカといえばいいのかすごいといえばいいのかよくわかりません。

さらに広がるバイアグラ

日本では2014年5月13日にバイアグラの特許が完全に切れ、東和薬品から「トーワ」、シオノケミカル株式会社から「SN」など様々な会社でジェネリック薬開発されています。

そのため、バイアグラのジェネリック薬が国内の病院でも処方されるようになってきており、バイアグラがさらに普及してきています。

バイアグラをよく使用している私としては、バイアグラがもっと色々な人に安く手に入るようになったらいいと思っていたので嬉しい流れですね。

※ジェネリック薬…元々開発された薬をマネして作った薬で、開発費用をあまり使わずに開発できるため従来より安く販売することができる薬です。

まとめ

バイアグラの歴史のうんちくはいかがでしたか?ちょっとしたときに友達にでも語ってみてくださいね。

もっとバイアグラについて知りたい方は他にもバイアグラについて書いている記事があるのでそちらを確認ください。

バイアグラに関する参考記事はこちら